HSPICEでは, 過渡解析の途中の状態を保存し, あとでその状態から解析を開始することができる.
以下のような場合に便利である.
- PLLやスイッチトキャパシタ回路にて, 準安定状態に達した後に, 様々な外乱や入力信号を与える場合.
シミュレーションの後半で条件を振って特性を調べる場合, 初めの起動シーケンスなどを毎回シミュレーションする必要がなくなり, 時間の短縮につながる.
- シミュレーション条件を間違えたことに気づいた場合.
PWLなどで入力電圧を作る時, 1箇所間違えただけで最初からシミュレーションをやり直すのは時間の無駄.
予め, 途中の状態を保存するようにしておけば, 保存した時刻からやり直せばよい.
あるいは, シミュレーション時間が短すぎた場合, 最後の状態から再開させれば, 続きをシミュレーションできる.
- 停電やサーバの異常に備える.
停電やサーバの異常停止が起こっても, 途中から再開できる.
以下に例を示す.
過渡解析を 500us 間行い,
時刻 99.7us で1回目の保存,
その後 100us ごと (199.7us, 299.7us, ..., 499.7us) に保存を行う.
.tran 0.1u 500u
.store type=IC file=prefix time=99.7u repeat=100u
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